訪問販売ってどうなの?蜂の駆除業界のリアル裏話
蜂駆除だけじゃなく、訪問販売の実話
1. 蜂の駆除をめぐる訪問販売の現状とは
どうも、蜂駆除レスキュー110番三重支部の加藤です。今日は、ちょっと耳の痛いけど現実的な話をします。「訪問販売ってどうなの?」と聞かれたら、私は即答します。「やめといたほうがいいですよ」って。いや、全部が悪いとは言いません。でも、現場で何度も後始末をしてきた身としては、正直おすすめできないんです。
三重県でも、5月〜10月の蜂の活動期になると、蜂の駆除を口実にした訪問販売員が増えます。だいたい作業服っぽい格好で、玄関先に来てこう言うんです。「お宅の屋根の下に巣ができてますよ、このままじゃ危ないです」。で、「今すぐ駆除できます、〇〇円です」と。金額は最初安めに言って、後から「巣が思ったより大きいので追加で…」がよくあるパターンです。
去年の8月、津市で作業してたら隣の家のおばあちゃんが「さっき来た人に5万円って言われたけど高いかね?」と聞いてきました。現場を見たら、小さなアシナガバチの巣が軒先に1つ。普通なら8,000円程度です。危うく契約するところだったらしく、「あの人、うちの名前も聞かずに紙だけ置いていった」と。こういうケース、ほんと減らないんですよ。
2. 現場で見た!訪問販売の営業手口と心理戦
営業手口はシンプルです。「今やらないと危険」という不安をあおる。この一点突破。蜂の駆除って、巣の位置や種類によっては確かに危険なんですが、その場で契約しないと命に関わる…なんて状況はほぼありません。
松阪市の現場で見たパターンはもっと巧妙でした。訪問販売員が「近くで作業してたら見つけた」と言って、屋根の影を指差します。お客さんは蜂が苦手だから、指差された方向をじっと見ずに「お願いします」となっちゃう。で、実際に脚立をかけてみたら、ただの古いクモの巣でしたよ。笑っちゃいけないけど、現場で私はため息が出ました。
あと心理戦でよくあるのが、作業員が防護服をチラ見せすること。「ほら、これだけ物々しい格好をする危険な作業なんです」と。もちろん防護服は大事なんですけど、見せ方ひとつで印象は変わります。あれは完全に演出ですね。
余談ですが、7月の亀山市でのこと。訪問販売員が帰ったあと、その家の奥さんが私に「ねえ加藤さん、防護服って暑いんでしょ?」と聞いてきたんです。真夏の昼間は中が40℃超えます。汗がつーっと流れて、防護面の中で鼻に入ったこともありましたよ…その時は鼻がむずむずしてくしゃみを我慢するのが地獄でした。
3. 訪問販売で契約するリスクとトラブル事例
訪問販売で蜂の駆除を契約すると、いくつか典型的なトラブルがあります。ひとつは「高額請求」。見積もりなしで作業を始め、途中で「追加料金が発生します」と言われるパターンです。もうひとつは「不完全な作業」。表面の巣だけ取って、巣穴や戻り蜂対策をしない。結果、数日後に同じ場所に巣が復活する。最後は「アフター対応なし」。電話しても繋がらない、保証が有名無実化している、なんて話もあります。
私が対応した四日市のケースはひどかった。お客様が「駆除したのにまた蜂がいる」と電話してきたので行ったら、巣の半分が壁の中に残っていました。そりゃ戻り蜂も来ますよ。作業員は「壁の中までは契約外」と言ったらしく…。私は結局、壁を開けて完全撤去。お客様は「最初から加藤さんに頼めばよかった」と苦笑いしてました。
マル秘知識をひとつ。蜂の駆除は、表の巣を落としたあとに匂いの元を残すと、別の蜂が同じ場所に作ることがあります。訪問販売業者の中には、あえて匂いを残してリピートを狙う輩もいる…これは業界の嫌な一面です。
4. 安心して蜂の駆除を依頼するための見極めポイント
私が思う見極めの第一歩は「即決を迫らないかどうか」です。本当に信頼できる業者は「見積もりは無料です、検討してからでいいですよ」と言えます。それから、会社の所在地と固定電話があるか、名刺やホームページで確認してください。所在地がポストオフィスやレンタルオフィスだけの業者は、アフターが期待できないことが多いです。
現場経験から言うと、道具の扱いを見れば腕がわかります。脚立を倒れないように立てかけ、道具をまとめて持ち運び、作業前に周囲を見渡す。これらを自然にやる人は間違いなく経験豊富です。
小話ですが、志摩市で作業中、通りがかったおじさんが「お、道具の置き方がプロっぽいな」と声をかけてきました。いや、当たり前のことしてるだけなんですが(笑)。でもそういう細かい所作が信頼につながるんです。
5. 正しい依頼ルートと相場を知っておく重要性
蜂の駆除は、市役所や消防、環境課が紹介する業者から頼むのが一番安全です。自治体によっては補助金制度もあります。津市はアシナガバチなら3,000円補助が出ることもありますし、松阪市ではスズメバチの駆除に限り補助あり。こういう情報は訪問販売業者は教えてくれません。
相場を知るだけでも騙されにくくなります。アシナガバチで8,000〜15,000円、スズメバチで15,000〜25,000円が目安。巣の大きさや場所、作業時間帯で変わりますが、倍以上の金額を提示されたら一旦保留が正解です。
マル秘知識その2。蜂の巣は夕方以降に働き蜂が戻ってきてから駆除すると効率がいいんです。昼間だと外勤蜂が残っていて、駆除後に帰ってきてしまう。訪問販売業者は昼間の方が動きやすいから、そのタイミングで作業してしまうんです。
6. 緊急時に避けるべき行動とその理由
訪問販売が来て「すぐにやらないと危険です」と言われても、焦らないでください。緊急時でもやってはいけないのは、①長い棒で巣をつつく、②殺虫スプレーを無計画に噴射、③高所作業を素人で行う、の3つです。
去年の9月、伊賀市で「巣をつついたら飛び出してきた!」と電話を受け、現場に駆けつけたら、おじさんが帽子を押さえて必死に逃げていました。刺されなかったのが奇跡です。蜂は巣を揺らすと本能的に攻撃モードに入ります。
コンビニで買った冷たいお茶を渡したら、「生き返る…」と一言。その場は笑いになりましたが、下手をすれば大事故です。
7. 【まとめ】蜂の駆除と訪問販売に関する心得
訪問販売の全てが悪ではありません。でも、蜂の駆除という切羽詰まった状況につけこむ悪質な手口は確実に存在します。現場で汗だくになって作業していると、「もっと早く正しい情報を知ってほしかった」と思うことが何度もあります。
なので最後に、これだけは覚えておいてください。①即決を迫られたら一旦断る、②相場と自治体情報を調べる、③信頼できる依頼ルートを持っておく。この3つで大半のトラブルは防げます。
…と真面目に締めたいところですが、実は今日の昼ごはん、蜂の現場近くの食堂でカツ丼食べすぎて午後の作業がちょっと重かったんですよ。蜂のことも大事ですが、食べすぎもほどほどにしないとですね。